ウロブログ

リアル脱出ゲームなどの謎解き好きな軽率旅人が、主に東京や仙台をウロウロして出会った謎解きや謎解き以外のものについて書くブログ

今後の発展に期待!劇団物語研究所

謎解きイベントでよく司会やキャストなどをされておられる、声優兼女優の久木田かな子さんが立ち上げた劇団物語研究所。その旗揚げ公演である「リモート・ビギンズ」を先日観劇いたしました。
全日程を無事に終えた昨日23時をもってネタバレが解禁されておりますので、思ったことなどをつらつらと書いていこうと思います。


劇団物語研究所とは
ホーム - real-storylab ページ!

劇団物語研究所って?

劇団物語研究所は演劇×観客体験型の実験を行います。
道玄坂ヒミツキチラボを拠点に、ヒミツキチラボのコンセプトである『実験的なイベントを行う』を大切にし、体験型演劇の実験をLabガールズ 久木田かな子さんが立ち上げた演劇ユニットです。

そして、劇団物語研究所の記念すべき旗揚げ公演が


「リモート・ビギンズ」

あらすじ

「あなたの将来の夢はなんですか?」

机を並べて肩を並べて
揃えた服に身を包み
揃いの教科書を開いた日々に
口癖のように言われた言葉があった

ーあなたはとある高校の2-Bクラスの生徒
 この物語の主人公は、生田淳という"あなたの"クラスメイト。
今宵、いま一度高校の教室に飛び込んで、あの時を過ごしていただきます。
「夢」を探さなくなった大人たちに、
「夢」に惑わされている子供たちの、
あの特有の時代をもう一度。

物語研究所が送る"体験型舞台"第一弾!

まずは、旗揚げ公演が最後まで事故なく終えられたことを心よりお祝い申し上げます。


こちらの公演、お客さんでありながら、物語に巻き込まれ、世界を体験する巻き込まれ席と、巻き込まれずに普通に芝居を楽しむ覗き見席の二種類がありました。
ちなみに巻き込まれ席は3,000円、覗き見席は2,500円。


私は、巻き込まれ席が完売してしまったので、覗き見席で観劇しました。
なので、これから述べることは、あくまで覗き見席から観たうえでの感想です。
巻き込まれていないので、おそらくこの公演の醍醐味を体験できていない上での感想だと思ってください。


会場は、謎解き好きにはおなじみの渋谷道玄坂にあるヒミツキチラボ。


ラボに入ると左に見えるステージにはスクリーン、右側のカウンターにはラーメン屋ののれん。
そして、私たちが普段謎解きのテーブルを囲む会場全体にいくつかの机と椅子、正面には教卓と黒板。
どうやら、ラボ全体が教室という設定らしいです。そして、数名の役者さんが既に始業前のおしゃべりという体で芝居をしていました。
役者以外の席につくのは巻き込まれ席のお客さん。このお客さんたちは、主人公たちのクラスメイトという設定。そして、周りには授業参観の保護者席のように覗き込み席が設けられていました。


そして、開演。音楽がかかり、モノローグがあったり、意外と普通の芝居でもよく観るような展開でした。


で、覗き込み席から観た私の感想。


巻き込まれ席の物語体験って、エキストラ体験だったのね。


日直の号令、授業中に回される手紙、声をそろえて発する掛け声、教室という空間の背景としての生徒。


それらが、物語を都合良く進めるためのモブであると感じてしまって、なんか、思っていたのと違うといった感じでした。
唯一、体験だなと感じたのが、冒頭の小テストに書いた将来の夢を、最後に読み上げられること。あれは良かった。
物語を観た後で改めて読み上げられることで、「ああ、こう書いておけば良かったなー。」とか「本当の私の夢は…」とか、いろいろ考えさせられたんじゃないかと思います。
ああいう心の動かされ方はまさに体験でした。

だが…、なぜそこに謎を入れた!?
謎解き勢に媚びたの!?
謎検の授業でもあるの!?
世界観、壊していて惜しかったです。


途中、コンビニにパシられる組と、教室に残留する組に別れたのはすごく好きでした。
教室では主人公が変わるきっかけとなる熱いシーンが演じられていたのですが、きっと外出組の方でも熱いドラマが演じられているのであろうと想像するのは楽しかったです。
しかし、こちらも脚本が甘かったので、あっち側で何が起きているのかすごく気になる!また観たいとはならなかったので、惜しいという感じでした。


厳しい感想を続けてしまいましたが、役者さんの演技は素晴らしかったです。
あのお客さんの配置、あの動線のなか芝居を続けるのって、ものすごく集中力が必要なんだと思います。
トーリーの甘さがありながら、彼らの思いが伝わってきたのは、役者さんの力の結果だと思います。
熱い気持ちをいただきました。


偉そうなことを言ってしまいましたが、自分のやりたいことに向き合い、人を楽しませることを模索し、挑戦して一つの形にした皆さんを、ただただ尊敬し、素晴らしいと思っていることが前提です。


きっと、今回で得たものを踏み台にして、もっともっとパワーアップした物語体験を創っていただけると、とても期待しています。